マンションの管理組合とは?役割や総会の目的・管理会社との関係まで解説

マンションを購入した際やこれから購入しようとする方にとって大きく関係する「管理組合」。

管理組合はマンションに住むうえで、非常に重要な役割を持ちますが、多くの方は明確に理解している方は少ないのではないでしょうか。

本記事では図解つきでマンションの管理組合についてどこよりも詳しく解説していきます。

この記事でわかること
  • そもそも管理組合って何?
  • なぜ管理組合が存在するの?
  • 管理組合の役割ってなに?
図解つきで解説します!
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【図解】マンション管理組合とは?

管理組合とは、マンションの共用部・敷地や設備の管理・運営を行うための組織です。分譲マンションを購入した場合、専有部(自分の部屋)以外の共用部も、他の区分所有者との共有資産となります。

主な共用部(共有財産)
  • エントランス
  • エレベーター
  • 駐車場・駐輪場
  • ゴミ置き場

こうしたマンション共用部の管理や運営のルールを決め、持続的に行う必要があります。

【図解】マンション管理組合とは?

共有財産(共用部)の資産を維持することを目的にマンション管理組合が設立されます。

マンション管理組合の成り立ち

各マンションに管理組合を設置することは「建物の区分所有等に関する法律」(以下、区分所有法)で定められています。

もともと区分所有法では管理組合についての規定が定められておらず、共用部の使い方などを起因としたトラブルが発生していました。そこで昭和58年に改正された区分所有法で管理組合の関する規定を定め、各マンションの管理制度の充実を図られました。

マンション博士

共同住宅であるマンションが増えるにつれて、管理組合の重要性が増してきたということですね。

管理組合員と役員(理事会)について

管理組合員と役員(理事会)について

マンションを購入したけど、管理組合って必ず入らなければいけないの?

マンション管理組合の構成員は区分所有者(マンションオーナー)全員です。つまり分譲マンションを購入した方は必ず組合員になる必要があります。

区分所有者の団体については区分所有法によって下記のように定められています。

(区分所有者の団体)

第三条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

昭和三十七年法律第六十九号 建物の区分所有等に関する法律
マンション博士

組合員を辞めたい・抜けたい場合はマンション売却をする以外方法がありません。

理事会について

管理組合では組合員の中から理事を選任し、理事会を設ける必要があります。理事会では組合員を代表してマンション管理の運営や管理を主導する役割を持っています。

理事会には以下のような役職が存在します。

主な役員業務内容
理事長・管理組合を代表し、すべての業務を統括する
副理事長・理事長を補佐、理事長不在時には職務を代理。
会計担当理事・管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う。
監事・管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査。
・監査結果を総会に報告
マンション博士

ただ単に管理組合があるだけでは機能しないので、しっかりとリーダーを決めて運営しましょうということですね!

管理組合の役割をさらに詳しく

管理組合では理事会を中心として、マンション管理・運営を行っていく必要があります。

国土交通省が公開しているマンション標準管理規約では、管理組合の業務は以下のように定められています。

  • 管理組合が管理する敷地及び共用部分等の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理
  • 組合管理部分の修繕
  • 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務及び長期修繕計画書の管理
  • 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務
  • 適正化法第103条に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理
  • 修繕等の履歴情報の整理及び管理等
  • 共用部分等に係る火災保険、地震保険その他の損害保険に関する業務
  • 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為
  • 敷地及び共用部分等の変更及び運営
  • 修繕積立金の運用
  • 官公署、町内会等との渉外業務
  • マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務
  • 広報及び連絡業務
  • 管理組合の消滅時における残余財産の清算
  • その他建物並びにその敷地及び附属施設の管理に関する業務
マンション標準管理規約(単棟型)第2節 管理組合の業務|国土交通省

上記を簡単に要約すると以下のようになります。

理事会・総会/予算の執行/総会議案の決定/清掃業務/管理員の業務/長期修繕計画書作成/管理運営業務/会計業務/出納業務

管理組合では居住者全員で力を合わせて管理業務を行っていきます。

マンション内で起こるトラブルを防止・注意喚起することも管理組合の役割

マンションは集合住宅であるため、住民同士のトラブルも少なくありません。

よくあるトラブルが、「騒音トラブル」「ゴミ出しのルール違反」などが挙げられます。こうした問題も管理組合のほうで仲裁もしくは、当事者に注意・勧告を行う必要があります。

マンション博士

マンションは集合住宅だから、みんなで住みやすいルールを決定して、運営するのが管理組合の役割ですね!

マンション管理組合の「総会」について

総会で決める具体的な内容

マンション管理組合では年に1回必ず「総会」が開かれます。

「総会」とは管理組合の意思決定機関の頂点であり、総会で決定された内容でマンションの管理・運営が行われていきます。

以下はマンション標準管理規約内の総会に関する一文です。

(規約及び総会の決議の遵守義務)
区分所有者は、円滑な共同生活を維持するため、この規約及び総会の決議を誠実に遵守しなければならない。
区分所有者は、同居する者に対してこの規約及び総会の決議を遵守させなければならない。

平成30年度マンション総合調査結果|国土交通省
マンション博士

総会で決定した内容が非常に重要であることがわかりますね!

総会で決める具体的な内容

議決事項(例)決議に際して必要な区分所有者総数および議決権総数における必要な数
共用部分の変更4分の3
規約の設定,変更または廃止4分の3
建物大規模滅失の場合の共用部分の復旧4分の3
建替え決議に関する物5分の4
役員の選任、または解任過半数
管理費などの決定または変更過半数
組合の収支予算の決定または変更過半数
引用:マンション管理組合の「総会」の種類と議決数のはなし|ライオンズマンション

管理組合と管理会社の関係性

ここまで管理組合の役割や業務ついてご紹介してきましたが、多くのマンションでは専門知識を有する管理会社に委託していることがほとんどです。

管理会社に委任している管理組合では、管理委託料を支払うことで、管理業務の大部分を管理会社が行ってくれます。

管理組合と管理会社の関係性

マンション管理は専門知識が必要なことがたくさんあります。例えば、エレベータの修繕や会計業務・大規模修繕など。

専門知識を有する管理会社にまるっと依頼することで、管理組合の負担を大きく減らすことができます。

管理委託するのか決めるのは管理組合

じゃあ管理会社に委託すればやることほとんどないんですね。

マンション博士

その通りではありますが、管理に関する重要な決定は管理組合が決定します。

  • 管理業務を管理会社に委託するのか?
  • どの管理会社に委託するのか?
  • 全部委託なのか管理委託なのか?
  • 管理会社を変更する場合

上記のような重要事項の決定は管理組合で行っていきますので、管理組合自体がマンション管理をすうるうえで重要な組織であることはかわりません。

自主管理マンション

管理委託せずに、すべてを住人で行う管理体系を自主管理と言います。自主管理マンションについては下記の記事で詳しく解説しています。

まとめ

  • 管理組合はマンション管理を司る重要な組織
  • 管理組合の役割は共有財産であるマンションの維持・運営
  • 組合員は区分所有者全員
  • 管理組合では理事会があり、理事会の役員は住人から選任される
  • 管理組合の総会は年に最低一回開催され、マンション管理業務に関する重要事項を決定する
  • 管理会社に委託する場合は、管理組合(総会)の決議が必要
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